2011年02月20日

卒業

さていよいよ来週がラストウィークですよ。
というのも、ECLAで7年にも渡り講師を務めてくれた我らがアダムくんが、今月2月いっぱいでECLAを卒業することとなったのです。

2004年4月からホントによくがんばってくれました。

僕とアダムは実はこの日本での7年以上の付き合いでして、僕らが初めて出会ったのはオーストラリアはシドニーでした。
今でも初めて会った瞬間をはっきりと昨日の事のように覚えています。

場所はシドニーはBondi Junction(ボンダイ・ジャンクション)にあったPub(飲み屋さん)「Billy the Pig」。
僕は日本人の友人たちとお酒を飲みながらビリヤードをやっとりました。
するとビールを片手にいかにも酔っ払った顔で僕らのプレイを見ているデカイガイジン(正確には僕らの方がガイジンw)がひとり…それがアダムでした。
とにかくデカイし、酔っ払ってるっぽいし、なのに僕らのビリヤードをなぜか見てるしって具合だったので、許容範囲が比較的広い僕もナンダコイツってなカンジでした。
しばらくすると友人のひとりが球を打とうとしながら「何だこのガイジン(正確には僕らがガイジンw)。コワいんだけど。」と日本語で言いました。
その一言に一同軽く笑う。
自分だけいいヤツぶるワケではないんですが、コソコソ話が嫌いな僕はプレイの途中でアダムに英語で話しかけました。
「一緒にやる?」
するとアダムは僕に耳打ちするように言いました。
「実はオレ全部日本語分かってる」
しかも日本語で!
ビックリして僕はアダムの顔を見返し、でもウィンクしてこの一瞬でふたりの間だけのヒミツが生まれました。
その後も僕の友人たちはアダムが日本語が分からないという前提に基づいたギリギリトークを繰り返しました。僕はおもしろいというよりはむしろハラハラした気持ちで友人たちの会話を聞きました。
そしてそのゲームが終わりました。
すると友人のうちの一人がようやくアダムに英語で話しかけました。
「次いっしょにやる?」
するとアダムは僕に目をやりウィンクをしてから、日本語で
「日本語全部分かってるんだよ!!!」
って言いながらその友人にタックル。一同は大笑い―それが僕とアダムとの出会いでした。

すっかり打解けた僕らは住んでいる所を聞くと、なんと同じストリート!
その日の帰りは一緒に帰りました。で実際にアダムが当時住んでいたフラット(アパート)は僕のフラットから歩いて5分程度の所。
それ以来僕らはすっかり仲良くなりました。

僕が帰国のためシドニーを離れるとき僕は、シドニーから旅をしながらゴールドコーストまで行く予定を立てたのですが、アダムの実家がちょうどその真ん中ほどにあるというので車でアダムの実家まで乗せていってくれると車を出してくれました。
シドニーの街中で待ち合わせをし、サーフボードを担ぎながらアダムの車に乗り込みシドニーを後にしました。
ハーバーブリッジを渡っているとき、アダムは僕に言いました。
「この橋を渡ったら正確には住所がシドニーじゃなくなっちゃうから、シドニーにバイバイしといた方がいいんじゃない?」
僕はアダムの車の窓を開け、ハコノリ(時効)をし、大きな声で叫びました。
「バイバイ、シドニー!!!」
少し涙ぐんで思いっきり手を振りました。

そしてその約30分後、今でも覚えているTumarramaという小さな町で僕らはBMWにいわゆる「カマ」を掘られ、アダムの車は廃車。僕らは幸い怪我はなかったのですが、深夜0時あたりに車もレッカーに持っていかれ路頭に迷いました。
近くに電車の駅があったので行ってみたのですが、来る電車はどれもシドニーからのものでシドニーに戻る電車は待てども待てども来ません。能天気な僕らは駅のホームで僕がギターを弾きアダムが歌って踊るという余興で時間をつぶすものの、7月のシドニーの寒さには耐えられずついにタクシーを捕まえてシドニーのアダムのアパートに戻ることにしました。

そして思いのほかあっさりとシドニーに舞い戻ってきた僕は、さっきハコノリまでしてちょっと出た涙を返して欲しい気持ちでいっぱいになりました。
とりあえず疲れた僕らはセントラルステーションで長距離バスの予約をすると、アダムの散らかった部屋で短い睡眠をとりました。

次の日の夕方、僕らはバスに乗り込みました。
シドニーの長距離バスは、映画がずっと流れていて想像していたよりずっと快適でした。
しかしどうでしょう。
隣のアダムが次から次へと日本語のダジャレをぶつけてくるのです。
ダジャレが終わったと思うと今度は日本語で歌の歌詞を作っているのだと。
眠りたいのになかなか眠れずに僕はついにアダムのホームタウンに到着しました。

ホントに何もない小さな町。
大きな川が流れていたのを覚えています。
アダムの家までどうやって行ったのかは覚えていません。
到着したのは早朝だったと記憶しています。
アダムの家に着き「嗚呼、やっと眠れる…」と思うと、アダムは昨夜ごっつい交通事故を起こしたばかりなのにも関わらず「お父さんの車でドライブに行こう」と僕を誘いました。
ぶっちゃけ「眠らせて」と思ったのですが、「野生のカンガルーが見られる」というセリフが決め手となり僕はドライブに応じました。するとどうでしょう。昨日事故をしたとは思えないようなスピードで彼は運転するじゃないですか。それもダートですよ、未舗装路。
いやいやコワいコワいと散々ビビッている気付かないウチに、僕らは野良のカンガルーたちが周りをピョンピョン跳ねているような所を走っていました。
車を降りたところにいたレッドカンガルーの大きなこと。
ふたりでそのカンガルーを追っかけたときのカンガルーの逃げ足の速さったらないかったです。

貴重な体験をした後、アダムはその小さな町を案内して回ってくれました。
奇妙なカタチをした岩、真っ赤な崖、そして高台から見た町の一望。どれも今でも鮮明に覚えています。
そして僕らはあるレストランに入って腹ごなしをしました。
何を食べたかは覚えていないが、お金を払って店を出て僕らはレンタルビデオ屋に立ち寄り、ジャッキーチェンの「ラッシュアワー」を借りました。
いや、寝かせろってw

すると僕は気づきました。財布がない!財布の中にはこれからゴールドコースト、そしてその後バリへ行く全財産が入っているのだ!
僕は猛ダッシュでさっきのレストランに戻りました。
すると僕らが座っていた席は、僕らが立ち去ったときのまま。僕の財布はちゃーんと僕が座っていた椅子のすぐ下に転がっていました。
田舎でよかったーって心底思いました。
で、結局ラッシュアワーを見て、ようやく軽い睡眠。

そして昼過ぎだったかな?バイロンベイ行きのバスに乗り、僕とアダムはひとまずのお別れをしたのでした。

それから5年。
僕は帰国後英会話教室を経営する事になり、アダムは大学院での勉強を終え、そしてふたりは今度は一緒に日本で働くことになりました。
だからアダムも先日ちょっと言っていましたが、何だかやっと今「Billy the Pig」が終わったような気がするんですね。僕風に言うとやっとワーホリが終わったというか。

これからアダムがどこかに行ってしまうワケでもないし、二度と会えなくなる訳でもない。
どちらかというと僕らふたりがこれからもっともっと輝くために、もっともっと自分を磨くための今回の契約終了。ケンカ別れするワケでもない。
だから僕らはプラスに捉えています。
これからECLAはもっともっとステキな教室になっていきます。
世の中を変えちゃうくらいステキな教室を目指します。
どこかの高校に合格できたなんてのが目的じゃ満足できないッス。
小さい頃から英会話や学童保育でお付き合いが始まって、塾やサポート校の部門で人生設計して、偏差値なんかではなく将来の仕事に直結するような進路を小さい頃から見てきたその子たちの性格や特性を頭に入れながら提案していく…そんな教室を目指します。
僕とアダムみたいに人生ってのは何がキッカケになるか分からない。
人生に無駄なことなんてひとつもない。

次の講師はもう万全の体制で整っております。
これからはキッズクラスはキッズクラス専門、社会人クラスは社会人専門で複数の講師を起用する予定です。現在アメリカ人×2名、イギリス人×1名、その他×1名が決定しております。また半田山以外でもクラスをスタートする予定もございます。現在、浜松市南区と湖西市で予定を調整中です。ご興味のある方はお気軽に電話でもメールでもお問合せくださいね☆

これからも今まで以上によい教室づくりを目指していくつもりでおりますので、今後ともECLAをよろしくお願いいたします。



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Posted by 英語生活ECLA at 23:54│Comments(2)英会話
この記事へのコメント
ECLAはきっと巣立つところ。
ECLAが大好きな人は、旅立っていく時には寂しさよりもワクワク、ドキドキの気持ちがでっかいんじゃないかな?(俺だけかなー?笑)
こんなに出会いの日からの思い出を覚えててくれたら、自分を守ってくれている気持ちになる。
ECLAもがんばってるから、自分もがんばれる。頑張ってるよーって言いたくなって、帰ってくる。
そんな気持ちで、みんな健太郎さんのとこに、時々羽を休めに帰るんじゃないかな?

To Adam

Hey, whatz up!? ...now bringing back my memories about you at ecla, Oogiya, west handa park...anywhere
I cant imagine you not there when I go back japan and you say "Hey, hippie!! 何その服!?変だよ!" ....Ill miss it too!!
anyway, you keep staying in japan desho? lets get drink in summer with Ken!!
see u soon :p
Adam, とりあえずお疲れ様。
and thank you so much for everything!! we love you!!
Posted by Kosuke from U.S. at 2011年03月03日 05:04
Thanks, my bro!
ECLAはこれからももっとステキになるために、オイラは今日も浜松市内の全中学校を訪問するべく靴の底をすり減らしながら歩いてるよ。ちなみに明日アラ玉中行くしw
ガッとガンバってみんなでひと休み。そんな場所があってもいいよなー。ずっとみんなにとってのそんな場所でありたい。マジで。
Posted by ECLAECLA at 2011年03月03日 21:43
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プロフィール
英語生活ECLA
東区半田山でご愛顧いただき18年。
英会話教室と学習塾 ECLA です。
ボスの Ken と講師の Adam で
アットホームに楽しく働いてます!
興味のある方は、お気軽に遊びにきてくださいね☆
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