2012年05月02日
アメリカ研修旅行〜帰国
朝の4時頃に目が覚めた。
まだみんな眠ってる。
起きると部屋がキレイに片付いていた。
やってもたー。寝オチしただけじゃなくみんなに片付けまでさせちゃったー。
しかも荷物まとめてない。
見るとキッチンにお皿が山積みだ。
僕はお皿を洗わずにはいられなかった。
お皿を洗っていたら、若手ふたりも起きた。
三人で言葉少なに荷物をまとめ始めた。
口をついて出るのは「帰りたくないな」という言葉ばかり。
FacebookにUPされた、東京ディズニーランドに行っている家族の写真だけがその気持ちを上回る。
僕らの荷物がまとまると、驚くほど部屋が広く感じた。その広さがまたさみしさを誘う。住み慣れたアパートの部屋を出るときに似ている。3泊しかしてないのに(笑)
こんなにゴソゴソバタバタやってんのに、コースケとリナちゃんは寝てる。ホントは目が覚めていたのかもしれないけど、起きてこないので寝ているということにする。ふたりのベッドの脇を歩いていかなきゃいけないシャワーも3人とも浴びた。しかしふたりはまだ寝てる。
昨夜の余り物のサラダを朝食とする。
空が白んできた。
僕はブラインド型のカーテンを開けようとした。が、うまく動かない。床の上に数枚はずれてしまったブラインドカーテンが横たわっており、それに引っかかっていた。僕は少し強引にカーテンを動かしたところ、もう2枚外してしまった!朝からやっちまった。アメリカにいるのに、「ガサツに力まかせにやるからだよー」っていういつものヨメの言葉がどこかから聞こえた。
何だか早く目が覚めてしまったから、時間を持て余してしまった。
アキノリは昨夜の僕の寝オチが早過ぎると責める。自分でいうのも何だが、確かにありゃ早過ぎた。興味深いことにオチていく最後の瞬間を覚えている。ビデオが始まってグランドキャニオンが見えてくるよーってあたりでオチたのだ。
9時頃コースケを起こす。
10:30AMのフライトなので、さすがにそろそろ行かなくちゃいけない。
しかも衝動買いした服がスーツケースに入りきらないため、何かバッグをもらわないといけないのだが、コースケの家にもそんなものは見当たらず、結局洗濯物を入れるサンタクロースみたいな大きな布の袋をもらった(借りた?)。それで多少の笑いを誘ったが、さみしさのせいかふたりも口数が少ない。僕が壊したカーテンのせいでないと自分に言い聞かせた。
SDの空港にはアッという間に到着した。
到着したときとは朝と夜という違いはあれど、まるで別の場所に来たようだ。
あのゲートでコースケがニヤニヤしながら待っててくれたなー。
この7日間、アッという間なんだけど、到着したときが遠い昔のようだ。
コースケがLAに向かう車の中でOC辺りでゼロに戻したトリップメーターは2,000マイルを越えていた。
僕らは3,000km以上も走ったのだ。
僕は旅の最後はサラッと帰る主義だ。「またすぐに来るよ」「そんな遠くない未来に会うよな」っていう気持ちを込めてそうすることにしている。じゃなきゃどっかの芸人みたいに泣いて鼻水流してしまいそうだから。今回もコースケとリナちゃんとは「ありがとう」と握手だけして別れた。リナちゃんには本当はギュッてしたかったのだが、カーテンを壊した後ろめたさからか、ブレーキがかかった。
チェックインカウンターに荷物を預けたあと再び外にでてみると、当然だがふたりはもういなくなっていた。よし。もう前向いてくしかない。日本に帰って、また楽しく仕事をしようとスイッチが早くも入った。それがハッキリ判った。だからここからはもうアメリカの思い出ではない。
ユウトとは、ここSDの空港でお別れだ。彼は3時間ほど後の便でLAまで行って、そこでコーディネーターの矢沢さんと会いOCで1ヶ月のホームステイ+語学学校生活が待っているのだ。ユウトも高校生活いろいろ苦労したから、ここから改めて成長してほしい。日本ではぬるま湯にドップリ浸かってしまったけど、ここアメリカさんのスパルタ教育でしっかり成長させてもらうんだぞ。ECLAからはこれからもきっと世界で活躍する若手がどんどん巣立っていくから、コースケがユウトを世話してくれたように、ユウトも次の世代の世話を見てやってくれよ。そうやってECLAの素晴らしいサイクルを途切れさえないように受け継いでいこう。それをECLAの伝統にするんだ。
クールなユウトもどうやらさすがにひとりになるのが不安なようだ。それを紛らすようにずっとPCをいじくってる。この旅の最中も、ひとりだいたい眠ってた。しかしここからは眠ってなんかいたらいろんなモノなくなるぞ。乗り過ごしたり時間に遅れても、自分に振りかかってくるんだぞ。分かってるとは思うが。心から彼の無事と成功を祈る。
いよいよ出発だ。SD空港は小さくて、朝食を何も買えなかった。お土産など言わずもがなだ。しかし今から行くのはLA。そこでいろいろ買えるはずである。コースケたちと同様ユウトとも軽く別れの言葉を交わし、アキノリと僕は飛行機に乗り込んだ。相変わらず歩いて乗り込むタイプの小さいヤツだ。僕のサンタ袋がみんなの視線を奪う。僕は強引に頭上の棚に突っ込んだ。ちなみに自分の頭上には入らなかったので、ひとつ後ろの席の人の頭上の棚に(笑)
SD-LAは本当にアッという間だ。しかしLAでもどうやらあまり乗り換え時間に余裕はないようだ。僕らの乗る便のカウンターには長蛇の列が出来ている。僕らは朝食とお土産を買う前にまずチェックインしておこうということにする。日本行きの便なので、当然だが日本人率が高くなる。「ここはもう7割くらい日本だな」とふたりで笑った。アメリカはみんながバラバラで楽しかったな、とも振り返った。本音でも建前でも、公式にも非公式にも、みんな同じ格好をして、「空気を読め」といいながらみんなと同じような行動を求められる日本と比べると、そういうところは本当に楽しかったと思う。
チェックインカウンターを通過すると、そのまま飛行機に乗せられた。え?お土産屋さんは?DFSは?マクドナルドは?サンドイッチくらい食べたかったのに。とか思いながら飛行機の自分の座席を探しているマヌケな自分がいた。ま、機内食までは我慢するかとおとなしく席に座る。が、なぜか出発時間になっても飛行機が動かない。機内放送でシステムの整備に時間が掛かっているそうだ。ま、墜落したくないからね。そこは万全にしてくださいよ。お腹空いたけどね。悪いことに帰りの飛行機には座席の前にモニターがあるヤツではなかった。今どき前のスクリーンの映画を見るかイヤホンで音楽を聴くかのヤツだ。せめてソリティアができてればもうちょっと時間も潰せたのになぁ。それにしても待てども待てども飛行機が出ない。アキノリの隣の南米系のお兄ちゃんは何やらノートにガイコツの絵を描いている。それもちょっと本格的で上手い。後ろの席では我慢が続かない白人のみなさまたちが立ち上がったり歩き始めたりしている。アブリル・ラビーンに似たちょっとかわいいお姉ちゃんなんかはスクワットを始めた!我慢強い日本人であるはずの僕もついに立ち上がった。これから11時間くらい座り続けるのに、すでに1時間くらい座ってるじゃないか。離陸する前に座り疲れたわ。しかも座ってると、寝オチしてしまいそうなのだ。これから好きなだけ眠れるのに、今この眠気を使うべきではない。こういう時間にドリンクでも出してくれれば間が持つのに、などと思う。
ようやく飛行機が動き出す。無事に離陸。機内食までがんばって起きて、腹を満たしてビールを飲んで爆睡した。よく寝た。起きたら日本が見えてたから、見事に寝た。
空港を出て久しぶりの日本を体感する。
いつもそうだけど、あまりうれしい気分ではない。
成田空港に着いてもなお、お土産屋さんを探す。当然まんじゅうを買って「アメリカに行ってきました」なんて言えないから、目ぼしいものは見つけられない。
諦めて電車に乗り込む。成田エクスプレスのチケットを買う。何だか分かりづらくて、東京経由のチケットを買う。しかしケータイの時刻表で調べると、品川経由だと1時間も到着時間が違う。21:30と22:30の差は大きい。チケットを買い直しに行くと、中国人の女性が僕と駅員の会話中にすごい強引なカットイン。さすがに駅員のお姉さんも「少しお待ちください」と制止して、ようやくチケットをGET。成田エクスプレスは快適だったけど、新幹線は静岡まで座れず21:30頃浜松駅にようやく到着。新幹線のサンタ袋が一番キツかった。
お迎えに来てくれていたアキノリのお母さんと談笑しながら挨拶を済ませ、迎えに来てくれたヨメと子どもたちと再会する。その再会が、初めて帰ってきてよかったと思わせてくれる。20分程度のドライブで自宅に到着。この日は子どもたちがもうオネムなので子どもたちとはたくさん話せなかったが、ヨメと思い出話をたくさんする。
コースケといると楽しいんだ。
リナちゃんはかわいかったよ。
アキノリはすっごい面白いし、ユウトはずっと寝てた。
コースケは就職しなくちゃいけないんだ。どなたかこんな素晴らしい人材、雇ってやってもらえませんか。
アメリカはとにかく大きかったんだ。
アメリカはやたらと大きいんだ。
日本人の繊細さなんて理解できる訳ない。
軽自動車やスクーターなんか、おもちゃだ。
あんな大きなところに住んでいて、「繊細さ」なんて分かる訳ない。
遥かに続く地平線に向かってとにかく進んでいかなきゃ、死んでしまうかもしれない場所に住んでいるんだもの。
でも、日本人の繊細さから生み出される「技術力の高さ」は間違いなく通用する。
僕らが勝負できるのは、「技術力の高さ」だ。
アメリカはひとりひとりがバラバラだ。
なのにアメリカはひとつだ。
日本はひとりひとりは同じだ。
なのに日本がバラバラだ。
日本はもう少しひとりひとりはバラバラでいい。
でも日本としてはもう少しひとつになった方がいい。
日本は「集団の論理」が働き過ぎているように思える。
「看板を背負ってい過ぎている」というか。
アメリカにいて実は目に付いていたのが、広告に社長の顔がほとんど全てに入っていること。
時折、会社名すら分からないことがあるくらいだ。
アメリカ人にとっては、その人がブランドだし、その人が看板なのだろう。
それがいいとか悪いとかいう話ではないが、アメリカは会社名よりもその「人」が前面に出ているということだ。一方で日本ではやはり会社名がものをいう。
今回も機内で興味深い記事を目にした。
「なぜ外資系の大手生鮮食品業は日本で成功しないか」
日本人の食生活は生で食すことが多いので、鮮度が重要であるという。
そのため大量生産・大量仕入れの欧米のやり方とはそぐわないのだ。
それに加えて日本人にとって「産地」というブランドがとても重要なのだというのだ。
浜松といったらうなぎ、名古屋といったら味噌カツやきしめん。日本全国津々浦々に特産がある。本当はそうでなくても、本当はその土地に全然関係なくても、本当は他の土地でもたくさん採れていても、その土地その土地に特産品があり、僕らはそれを楽しんでいる。日本人というは、「安ければいい」という人たちではないのである。
悪く言えば何も考えていないのだ。
有名な産地のものであれば「おいしいに違いない」と考える。
おや?
何かに似てないか?
いい高校やいい大学を卒業していたら「いい子に違いない」と考える。
有名ブランドの財布やバッグを持っていたら「すごい」と考える。
いやいや、そこにつながるなんて、そうでないと思いたいが。
海外にいくとつくづく感じるのが、みんな車が汚いってこと。
日本のみなさんが乗ってる車なんてセレブみたいに感じるくらい。
日本にいる外国人たちがよく「日本人はバンパーをぶつけて大騒ぎしている」と笑い話にしている。
「バンパー(bumper)はbump(=ゴツンとぶつける)するところなのに、そこをこすったくらいで板金修理で何万円も払っている」と。フランスなどでは縦列駐車などでスペースを作るために前後の車をバンパーで動かして入れると聞いたことがある。のんびり走っていると後ろからぶつけられるときいたことも。
真実かどうかはさておいて、とにかく僕ら日本人は繊細過ぎていろいろ病んでいるような気もする。
どこかで「他人に迷惑をかけちゃいけません」って子どもを育てるよりも「あなたもどこかで迷惑をかけるかもしれないから、他人のことも許してあげなさい」って育てた方が生きやすいって聞いたことがある。これってことわざでいう「情けは人のためならず」ってことだろう。アメリカに行って気付いたことは、結局日本のことわざなのだ。
「技術力で勝負」「情けは人のためならず」このふたつで今回の旅の総括としよう。
そしてコースケの就職とユウトのアメリカ大学進学の成功を祈願しつつ、これからもECLAは、さらに世界に飛び出し、日本の世の中をよくしていくことに寄与できる人材を輩出していくことを最後に強く強く決意するのであった。
これからもECLAをよろしくお願い申し上げます。
~The End~
英語生活 ECLA
******************************************************
静岡県浜松市東区半田山 5-11-11
tel (053) 433-5533 fax (053) 594-6741
e-mail ecla@eigoseikatsu.com
URL http://eigoseikatsu.com/
P.S.
最近「実はブログ読んでるんですよ」なんてお声、ちょいちょいいただきます。もしよかったらお気軽にどんどんコメントくださいね。その方が記事の書き甲斐があるし。
まだみんな眠ってる。
起きると部屋がキレイに片付いていた。
やってもたー。寝オチしただけじゃなくみんなに片付けまでさせちゃったー。
しかも荷物まとめてない。
見るとキッチンにお皿が山積みだ。
僕はお皿を洗わずにはいられなかった。
お皿を洗っていたら、若手ふたりも起きた。
三人で言葉少なに荷物をまとめ始めた。
口をついて出るのは「帰りたくないな」という言葉ばかり。
FacebookにUPされた、東京ディズニーランドに行っている家族の写真だけがその気持ちを上回る。
僕らの荷物がまとまると、驚くほど部屋が広く感じた。その広さがまたさみしさを誘う。住み慣れたアパートの部屋を出るときに似ている。3泊しかしてないのに(笑)
こんなにゴソゴソバタバタやってんのに、コースケとリナちゃんは寝てる。ホントは目が覚めていたのかもしれないけど、起きてこないので寝ているということにする。ふたりのベッドの脇を歩いていかなきゃいけないシャワーも3人とも浴びた。しかしふたりはまだ寝てる。
昨夜の余り物のサラダを朝食とする。
空が白んできた。
僕はブラインド型のカーテンを開けようとした。が、うまく動かない。床の上に数枚はずれてしまったブラインドカーテンが横たわっており、それに引っかかっていた。僕は少し強引にカーテンを動かしたところ、もう2枚外してしまった!朝からやっちまった。アメリカにいるのに、「ガサツに力まかせにやるからだよー」っていういつものヨメの言葉がどこかから聞こえた。
何だか早く目が覚めてしまったから、時間を持て余してしまった。
アキノリは昨夜の僕の寝オチが早過ぎると責める。自分でいうのも何だが、確かにありゃ早過ぎた。興味深いことにオチていく最後の瞬間を覚えている。ビデオが始まってグランドキャニオンが見えてくるよーってあたりでオチたのだ。
9時頃コースケを起こす。
10:30AMのフライトなので、さすがにそろそろ行かなくちゃいけない。
しかも衝動買いした服がスーツケースに入りきらないため、何かバッグをもらわないといけないのだが、コースケの家にもそんなものは見当たらず、結局洗濯物を入れるサンタクロースみたいな大きな布の袋をもらった(借りた?)。それで多少の笑いを誘ったが、さみしさのせいかふたりも口数が少ない。僕が壊したカーテンのせいでないと自分に言い聞かせた。
SDの空港にはアッという間に到着した。
到着したときとは朝と夜という違いはあれど、まるで別の場所に来たようだ。
あのゲートでコースケがニヤニヤしながら待っててくれたなー。
この7日間、アッという間なんだけど、到着したときが遠い昔のようだ。
コースケがLAに向かう車の中でOC辺りでゼロに戻したトリップメーターは2,000マイルを越えていた。
僕らは3,000km以上も走ったのだ。
僕は旅の最後はサラッと帰る主義だ。「またすぐに来るよ」「そんな遠くない未来に会うよな」っていう気持ちを込めてそうすることにしている。じゃなきゃどっかの芸人みたいに泣いて鼻水流してしまいそうだから。今回もコースケとリナちゃんとは「ありがとう」と握手だけして別れた。リナちゃんには本当はギュッてしたかったのだが、カーテンを壊した後ろめたさからか、ブレーキがかかった。
チェックインカウンターに荷物を預けたあと再び外にでてみると、当然だがふたりはもういなくなっていた。よし。もう前向いてくしかない。日本に帰って、また楽しく仕事をしようとスイッチが早くも入った。それがハッキリ判った。だからここからはもうアメリカの思い出ではない。
ユウトとは、ここSDの空港でお別れだ。彼は3時間ほど後の便でLAまで行って、そこでコーディネーターの矢沢さんと会いOCで1ヶ月のホームステイ+語学学校生活が待っているのだ。ユウトも高校生活いろいろ苦労したから、ここから改めて成長してほしい。日本ではぬるま湯にドップリ浸かってしまったけど、ここアメリカさんのスパルタ教育でしっかり成長させてもらうんだぞ。ECLAからはこれからもきっと世界で活躍する若手がどんどん巣立っていくから、コースケがユウトを世話してくれたように、ユウトも次の世代の世話を見てやってくれよ。そうやってECLAの素晴らしいサイクルを途切れさえないように受け継いでいこう。それをECLAの伝統にするんだ。
クールなユウトもどうやらさすがにひとりになるのが不安なようだ。それを紛らすようにずっとPCをいじくってる。この旅の最中も、ひとりだいたい眠ってた。しかしここからは眠ってなんかいたらいろんなモノなくなるぞ。乗り過ごしたり時間に遅れても、自分に振りかかってくるんだぞ。分かってるとは思うが。心から彼の無事と成功を祈る。
いよいよ出発だ。SD空港は小さくて、朝食を何も買えなかった。お土産など言わずもがなだ。しかし今から行くのはLA。そこでいろいろ買えるはずである。コースケたちと同様ユウトとも軽く別れの言葉を交わし、アキノリと僕は飛行機に乗り込んだ。相変わらず歩いて乗り込むタイプの小さいヤツだ。僕のサンタ袋がみんなの視線を奪う。僕は強引に頭上の棚に突っ込んだ。ちなみに自分の頭上には入らなかったので、ひとつ後ろの席の人の頭上の棚に(笑)
SD-LAは本当にアッという間だ。しかしLAでもどうやらあまり乗り換え時間に余裕はないようだ。僕らの乗る便のカウンターには長蛇の列が出来ている。僕らは朝食とお土産を買う前にまずチェックインしておこうということにする。日本行きの便なので、当然だが日本人率が高くなる。「ここはもう7割くらい日本だな」とふたりで笑った。アメリカはみんながバラバラで楽しかったな、とも振り返った。本音でも建前でも、公式にも非公式にも、みんな同じ格好をして、「空気を読め」といいながらみんなと同じような行動を求められる日本と比べると、そういうところは本当に楽しかったと思う。
チェックインカウンターを通過すると、そのまま飛行機に乗せられた。え?お土産屋さんは?DFSは?マクドナルドは?サンドイッチくらい食べたかったのに。とか思いながら飛行機の自分の座席を探しているマヌケな自分がいた。ま、機内食までは我慢するかとおとなしく席に座る。が、なぜか出発時間になっても飛行機が動かない。機内放送でシステムの整備に時間が掛かっているそうだ。ま、墜落したくないからね。そこは万全にしてくださいよ。お腹空いたけどね。悪いことに帰りの飛行機には座席の前にモニターがあるヤツではなかった。今どき前のスクリーンの映画を見るかイヤホンで音楽を聴くかのヤツだ。せめてソリティアができてればもうちょっと時間も潰せたのになぁ。それにしても待てども待てども飛行機が出ない。アキノリの隣の南米系のお兄ちゃんは何やらノートにガイコツの絵を描いている。それもちょっと本格的で上手い。後ろの席では我慢が続かない白人のみなさまたちが立ち上がったり歩き始めたりしている。アブリル・ラビーンに似たちょっとかわいいお姉ちゃんなんかはスクワットを始めた!我慢強い日本人であるはずの僕もついに立ち上がった。これから11時間くらい座り続けるのに、すでに1時間くらい座ってるじゃないか。離陸する前に座り疲れたわ。しかも座ってると、寝オチしてしまいそうなのだ。これから好きなだけ眠れるのに、今この眠気を使うべきではない。こういう時間にドリンクでも出してくれれば間が持つのに、などと思う。
ようやく飛行機が動き出す。無事に離陸。機内食までがんばって起きて、腹を満たしてビールを飲んで爆睡した。よく寝た。起きたら日本が見えてたから、見事に寝た。
空港を出て久しぶりの日本を体感する。
いつもそうだけど、あまりうれしい気分ではない。
成田空港に着いてもなお、お土産屋さんを探す。当然まんじゅうを買って「アメリカに行ってきました」なんて言えないから、目ぼしいものは見つけられない。
諦めて電車に乗り込む。成田エクスプレスのチケットを買う。何だか分かりづらくて、東京経由のチケットを買う。しかしケータイの時刻表で調べると、品川経由だと1時間も到着時間が違う。21:30と22:30の差は大きい。チケットを買い直しに行くと、中国人の女性が僕と駅員の会話中にすごい強引なカットイン。さすがに駅員のお姉さんも「少しお待ちください」と制止して、ようやくチケットをGET。成田エクスプレスは快適だったけど、新幹線は静岡まで座れず21:30頃浜松駅にようやく到着。新幹線のサンタ袋が一番キツかった。
お迎えに来てくれていたアキノリのお母さんと談笑しながら挨拶を済ませ、迎えに来てくれたヨメと子どもたちと再会する。その再会が、初めて帰ってきてよかったと思わせてくれる。20分程度のドライブで自宅に到着。この日は子どもたちがもうオネムなので子どもたちとはたくさん話せなかったが、ヨメと思い出話をたくさんする。
コースケといると楽しいんだ。
リナちゃんはかわいかったよ。
アキノリはすっごい面白いし、ユウトはずっと寝てた。
コースケは就職しなくちゃいけないんだ。どなたかこんな素晴らしい人材、雇ってやってもらえませんか。
アメリカはとにかく大きかったんだ。
アメリカはやたらと大きいんだ。
日本人の繊細さなんて理解できる訳ない。
軽自動車やスクーターなんか、おもちゃだ。
あんな大きなところに住んでいて、「繊細さ」なんて分かる訳ない。
遥かに続く地平線に向かってとにかく進んでいかなきゃ、死んでしまうかもしれない場所に住んでいるんだもの。
でも、日本人の繊細さから生み出される「技術力の高さ」は間違いなく通用する。
僕らが勝負できるのは、「技術力の高さ」だ。
アメリカはひとりひとりがバラバラだ。
なのにアメリカはひとつだ。
日本はひとりひとりは同じだ。
なのに日本がバラバラだ。
日本はもう少しひとりひとりはバラバラでいい。
でも日本としてはもう少しひとつになった方がいい。
日本は「集団の論理」が働き過ぎているように思える。
「看板を背負ってい過ぎている」というか。
アメリカにいて実は目に付いていたのが、広告に社長の顔がほとんど全てに入っていること。
時折、会社名すら分からないことがあるくらいだ。
アメリカ人にとっては、その人がブランドだし、その人が看板なのだろう。
それがいいとか悪いとかいう話ではないが、アメリカは会社名よりもその「人」が前面に出ているということだ。一方で日本ではやはり会社名がものをいう。
今回も機内で興味深い記事を目にした。
「なぜ外資系の大手生鮮食品業は日本で成功しないか」
日本人の食生活は生で食すことが多いので、鮮度が重要であるという。
そのため大量生産・大量仕入れの欧米のやり方とはそぐわないのだ。
それに加えて日本人にとって「産地」というブランドがとても重要なのだというのだ。
浜松といったらうなぎ、名古屋といったら味噌カツやきしめん。日本全国津々浦々に特産がある。本当はそうでなくても、本当はその土地に全然関係なくても、本当は他の土地でもたくさん採れていても、その土地その土地に特産品があり、僕らはそれを楽しんでいる。日本人というは、「安ければいい」という人たちではないのである。
悪く言えば何も考えていないのだ。
有名な産地のものであれば「おいしいに違いない」と考える。
おや?
何かに似てないか?
いい高校やいい大学を卒業していたら「いい子に違いない」と考える。
有名ブランドの財布やバッグを持っていたら「すごい」と考える。
いやいや、そこにつながるなんて、そうでないと思いたいが。
海外にいくとつくづく感じるのが、みんな車が汚いってこと。
日本のみなさんが乗ってる車なんてセレブみたいに感じるくらい。
日本にいる外国人たちがよく「日本人はバンパーをぶつけて大騒ぎしている」と笑い話にしている。
「バンパー(bumper)はbump(=ゴツンとぶつける)するところなのに、そこをこすったくらいで板金修理で何万円も払っている」と。フランスなどでは縦列駐車などでスペースを作るために前後の車をバンパーで動かして入れると聞いたことがある。のんびり走っていると後ろからぶつけられるときいたことも。
真実かどうかはさておいて、とにかく僕ら日本人は繊細過ぎていろいろ病んでいるような気もする。
どこかで「他人に迷惑をかけちゃいけません」って子どもを育てるよりも「あなたもどこかで迷惑をかけるかもしれないから、他人のことも許してあげなさい」って育てた方が生きやすいって聞いたことがある。これってことわざでいう「情けは人のためならず」ってことだろう。アメリカに行って気付いたことは、結局日本のことわざなのだ。
「技術力で勝負」「情けは人のためならず」このふたつで今回の旅の総括としよう。
そしてコースケの就職とユウトのアメリカ大学進学の成功を祈願しつつ、これからもECLAは、さらに世界に飛び出し、日本の世の中をよくしていくことに寄与できる人材を輩出していくことを最後に強く強く決意するのであった。
これからもECLAをよろしくお願い申し上げます。
~The End~
英語生活 ECLA
******************************************************
静岡県浜松市東区半田山 5-11-11
tel (053) 433-5533 fax (053) 594-6741
e-mail ecla@eigoseikatsu.com
URL http://eigoseikatsu.com/
P.S.
最近「実はブログ読んでるんですよ」なんてお声、ちょいちょいいただきます。もしよかったらお気軽にどんどんコメントくださいね。その方が記事の書き甲斐があるし。
Posted by 英語生活ECLA at 01:09│Comments(0)
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